更年期障害について「更年期と閉経後の変化を知っていますか?」

登録日:2020年3月16日

 女性の体はエストロゲンに支配されているといっても過言ではありません。12歳で初潮を迎え、50歳で月経が終了する(閉経)まで女性はエストロゲンに左右されますが、女性の平均余命が86歳に達し、90歳まで生存する割合が46.4%に達した現在人によってはエストロゲンが分泌されていない期間が長くなる可能性もあります。女性は40代より閉経に向けて体が準備を始めることが知られており、特に閉経前後の5年間を更年期(別ページが開きます)(PDF/146KB)と定義されています。
まずは見られるのは、月経の周期がいままでよりも短くなる場合や、長くなるといった月経の変化不正性器出血です。しかし、これらの変化が子宮筋腫、子宮体癌、子宮頸癌などで見られる場合もあるので、不正性器出血があれば、年齢のせいといって放置せず、一度産婦人科へ受診をした方がいいと思います。次に、自律神経失調症状が出現します。これにはのぼせ、ほてり、めまい、異常発汗があります。また、頭重感、倦怠感、不眠、不安、ゆううつといった精神神経症状も出現します。これらはいわゆる更年期症状として知られている症状です。閉経後も女性の体は変化し続け、黄色のおりもの、外陰部の乾燥感、掻痒感を伴う萎縮性腟炎尿失禁心血管疾患(動脈硬化、高血圧、脳卒中)、骨粗鬆症が出現します。特に萎縮性腟炎は繰り返し出現し、女性に不快感を与え、性交痛の原因にもなります。また、骨粗鬆症については、閉経後骨量は平均で年間3%骨量が低下するといわれています。ですので、閉経したら一度骨量を調べておいてもいいかもしれません。